バッターを抑える方法 バッターとの勝負に勝つ方法 勝てるピッチャーになるには
バッターとの勝負に勝つには
これまで、このブログにピッチングの技術面だったり、
フォームのことや、メンタルのことなんかを書いていきました。
今回は、実践で相手バッターを目の前にした時に、
そのバッターを抑えていくための、私なりの考え方を書いていきたいと思います。
簡単に言うと、バッターを抑える方法です。
そんなことは、ピッチャーをしていれば、誰しもが知りたくなることだと思いますし、
こんな大きなことを言って大丈夫なのか?とも思われかねません。
しかし、あくまでもこれは私なりの考え。
そして、私がこれまでバッターを抑えてきた時のマインドや、方法。
実際に経験してきた時のことなので、自信をもって書いていきたいと思います。
これができれば、簡単にバッターを抑えることはできると思っています。
最近の野球
決して、バッター(野手)を悪く言うつもりはありませんが、
ここ最近の野球の変化を見ていくと、
道具の進化やルールに関して、バッター(野手)のほうに力が加わっているように思います。
肘や足などを守るプロテクター。
強い球や重たいバットに振り負けしないようにつける手首のサポーター。
詰まっても痛くないように指を守るクッション。
顔付近にボールが来ても守ってくれるフェイスガード。
どんどん軽量化されていくスパイク。
最終的には、ボールまでもよく飛ぶように変わってきました。
それに対し、ピッチャーにはそんなサポート的な要素はなく、
逆に、グローブの刺繍の色まで指定されてしまうほどになってきています。
要は、野球が、豪快なスイングから放たれる特大のホームランや、
押せ押せムードの中、得点を重ねる大量点。など、
『攻撃』を見るもの、楽しむものになっているように感じていました。
確かに、盛り上がりのことだけを見ると、『攻撃』のほうが盛り上がります。
なので野球界が『攻撃』を中心に考えることも理解はできます。
そんな中でも、『攻撃』に立ち向かっていく、ピッチャーとして野球をしてきたので、
少しでも、今現在、ピッチャーとして生きる方たちの力になれたらな、という思いから、
私がこれまでバッターに勝ってきた時の経験、方法を見てもらい、
そんな『攻撃』に勝つためのヒントになってくれればなと思います。
バッターの弱点
私が思う、バッターの弱点は、
『タイミング』
だと思います。
細かくバッターを分析して、苦手なコースや、高さ、そして、球種。
たくさんあると思いますが、
全バッターに共通して言える弱点は、
絶対的に『タイミング』だと考えます。
要は、『タイミング』を外すことさえできれば、
バッターは抑えることができるということです。
もちろん、バッターを抑える方法はほかにもあります。
圧倒的なストレートでねじ伏せる。
強烈な変化をする変化球で翻弄する。
様々ありますが、
そんな飛び抜けた能力を持っている選手でも、
『タイミング』があってしまえば簡単に打ち返されてしまいます。
そんな飛び抜けた能力がなく、今現在持っている力を最大限に発揮していく中でも、
『タイミング』を外すという技術は、
バッターを抑える術として、必要不可欠であり、最大の武器になると言えると思います。
『タイミング』があってしまうと何がよくないのかというと、
バッターに自分のスイングをされてしまうということです。
要するに、長年振り続けてきた強いスイングをされてしまうということです。
バッターは打席で、どれだけ自分の理想で、最大限の力でスイングできるかが、
勝負のカギだと思います。
なので、ピッチャーは言うまでもなく、バッターにそんなスイングをさせないということが、
勝負に勝つ方法になってきます。
バッターを抑える方法
さて、それでは、その勝負の要である『タイミング』を外す方法を書いていきたいと思います。
『タイミング』を外す方法としては、シンプルに、
変化球を投げて、バッターの『タイミング』を外すという方法もありますが、
今回私が書いていく内容は、もっと細かい技術の部分になっていきます。
頭の中でピッチャーとバッターの動きをゆっくりと思い浮かべながら見ていただけるとわかりやすいと思います。
①~④はピッチャーの動き。
⑴~⑷はバッターの動き。
になります。
多くのピッチャーの方たちは、投球をするとき、
①踏み出す方の足を高く上げ、軸足で一度一本足になり、それから投球をすると思います。
⑴その時バッターは、始動しやすい構えをとって待ち構えています。
②次にピッチャーは、その高く上げた足を下ろしていきます。
⑵そのタイミングでバッターは軸足に体重を乗せ始めます。
③そしてピッチャーは、その高く上げた足を大きく踏み込み、リリースに向かい加速します。
⑶その時バッターは強いスイングをするために、軸足のほうに力をため込んでいます。
④そしてピッチャーは、踏み込んだ足に体重を乗せ、ボールをリリースします。
⑷そのタイミングに合わせてバッターもピッチャー同様、
自分のポイントに向かって足を踏み込み、体重移動をしながらスイングをしてきます。
これがピッチャーとバッターの間にある『タイミング』の大まかな流れです。
もちろんピッチャーが投げた球をバッターが打つので、
ピッチャーが『先手』バッターが『後手』となります。
このピッチャー、バッター間の一連の流れの中で、
ピッチャーがバッターの『タイミング』を外していけるところは、
④の、踏み込んだ足に体重を乗せ、ボールをリリースしていく時です。
多くの投手は、①~③の間にあらゆる方法を使い、『タイミング』を外そうとしますが、
①~③の間にいくら『タイミング』を外そうとしても、
『後手』であるバッターは、まだ軸足に体重が乗っているので何の効果もありません。
バッターが1番『タイミング』が外れると嫌な部分は、
⑷の、ピッチャーと同様に、自分のポイントに向かって足を踏み込み、『体重移動』をしながらスイングをしてくるときの、
『体重移動』をしている時、だと思います。
バッターは体重移動をしながら、自分が1番力が入るポイントでスイングをしたいので、
そのポイントにボールを呼び込み、引き付けていきます。
要するに、踏み込んだ足に体重が乗り切ってしまう前(両足で踏ん張りスイングができる割合の時)にスイングをしたいと考えています。
なので、その中でピッチャーが『タイミング』を外していくためにやるべきことは、
④の、踏み込んだ足に体重を乗せてボールをリリースしていくまでの『間』の時間を長くすることです。
そうすると、バッターは体重移動をしている中、スイングを始める『タイミング』が取りづらくなり、
ピッチャーとバッターの勝敗を左右する『タイミング』を外すことができるようになります。
よって、バッターを抑えることができる。
ということになると思います。
間合いの取り合い
ピッチャーが踏み込んだ足を地面についてから、胸を張りリリースをするまでの、ほんの0コンマ数秒の時間を、
少しでも長くすることができれば、バッターの体重移動は完了に近づいていきます。
体重移動が完了に近づくと、バッターはベストなスイングはできなくなります。
ポピュラーな表現をすると「突っ込ませる」という形を作らせることです。
ピッチング理論のことを書かせてもらった時に、
ピッチャーはマウンドの傾斜に負けて、突っ込んでしまうと、いい球が投げれないと言わせてもらいました。
それはバッターも同じことです。
ピッチャーとバッターの間では体重移動をしていく中での、間合いの作り合い(取り合い)が行われているということです。
要は、自分の間合いを作った方の勝ちということになります。
自分の間合いから外れ、先に突っ込んでしまった方の負けになってしまうということです。
そのことが理解できたら、ピッチャーが勝つ方法としてやるべきことは、
④の時に、踏み込んだ足が地面についてから、ボールをリリースしていくまでの『間』の時間を長くすることだということは、
同時に理解していただけると思います。
踏み込んだ足が地面についてから、ボールをリリースしていくまでの『間』の時間を長くすることができれば、
その間にバッターは突っ込んでくるということです。
よってピッチャーの勝ちになります。
これが『間合いを取る』方法であり、
『タイミング』を外す方法であり、そして、
『バッターを抑える』方法になります。
勝つために必要な条件
『バッターを抑える』方法はご理解いただけましたでしょうか?
ご理解いただけた方は気付いているかもしれませんが、
この方法を実践に移すには、必要な条件が何点かあります。
それは、実践するためのコンディショニングです。
突っ込みを抑えるための、強い下半身。そして強い背筋力。
それに、粘り強いフォームを生み出すための、下半身の柔軟性です。
これらは努力が必要になってきますが、
ピッチャーとして生きているならば、
バッターを抑えることは、何よりのやりがいのはずですし、
目指す方向性が定まっていれば、モチベーションは向上するはずです。
バッターに勝てる理由
この技術さえモノにすることができれば、
他にもピッチャーとしてレベルアップすることができます。
その内容は、
リリースする瞬間までバッターの動きが見えてきたり、
リリースポイントを自由自在に操ることができたり、
シンプルに球威アップ、怪我の予防と、いいこと尽くしです。
これは、実際に私が経験した感覚です。
調子のいい時には、ボールを離す瞬間までバッターの動きや、雰囲気、時には表情まで見え、
バッターが出している雰囲気で、バッターがバットを振ってくるか振らないかまで、
リリースの瞬間に分かるようになっていました。
その時は何もかもが思い通りで、まったく打たれる気がせず、
ピッチングがものすごく楽しかったことを今でも覚えています。
そして何より、バッターの弱点が明確になれば、余計なことも考えなくて済むので、
強気でマウンドに上がれると思います。
これは勝負に勝つためにとっても大切なことです。
こんなにもたくさんピッチャーが優位に立てる要素があれば、
おのずと勝負に勝つ確率は上がってくると思います。
是非ともこの技術を身に着け、ピッチャーが活躍する野球界になってほしいと願います。
まとめ
今回は思い切ったタイトルだったので、
長い文章になってしまいましたが、
私の中でも、大切なポイントだと思っていますし、
実際に経験してきた『成功例』なので、
読んでいただいた方の進化の近道になってもらえれば幸いです。
最近、選手に、
「正解が分からなくなりました」
という相談を受けました。
その選手は、自分自身でいろいろ工夫して積極的に取り組むことのできる選手でした。
しかし、たくさん考えすぎて、どうしたらいいかわからなくなってきた。
という状態でした。
私もそんな状態になったこともあるので、その気持ちはとても共感できました。
しかしその時、その選手に前を向いてほしくて伝えた私の考えをここに書かせてもらいます。
そもそも、正解なんて、誰もわかるわけがありません。
だけど私は、自分で考え出した答えは、すべて正解だと思っています。
うまくいったとしたら『正解』だし、
うまくいかなかったとしても、そこで失敗を学び、成長できるので、そちらも『正解』。
だから何よりも大切なことは、
すべて人に『正解』を聞くんじゃなくて、自分で『正解』を探し出すこと。
だと思います。
『正解』なんてないと思い、そこで諦めるのか、
『正解』はあると信じ、探し続けるのか、
それを選ぶのは自分自身だと思います。
皆さんの成長を心から願います。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
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