投球障害 イップスの治し方
イップスとは
そもそもイップスとは
《精神的な原因などでスポーツの動作に支障をきたし、突然、自分の思い通りのプレーができなくなる症状のこと》
と調べると書いてあります。
実際私も、世間でいうところのイップス(私の場合スローイングのイップス)になってしまい、近くの距離を投げる時に暴投をしてしまったりしていました。
最初にイップスになった時、「これがイップスかー」と思い、近い距離を投げることが、怖くなった時がありました。
練習なんかでは特にその症状は出ませんでしたが、試合になると意識して、
ミスしたらいけない。
ここで暴投したらどうしよう。
というメンタルになってしまい、一気に緊張して、思い通りのプレーができない、いわゆるイップスになってしまっていました。
この症状が出たのは、今から4年前くらいの、2015年ごろでした。
しかし、結論から言うと、私はイップスを克服しました。
今回はその方法を、経験談とともに書いていきたいと思います。
イップスなんて出るわけない
これは自慢話に聞こえるかもしれませんが、私は昔から、コントロールには自信がありました。
自分で勝手に自信を持っていただけではなく、まわりからもコントロールに関しては褒められていたので、それも上乗せされて、自信を持っていました。
当時イップスという言葉がまだ野球界には浸透しておらず、コントロールの悪い人のことを『ノーコン』という風に呼ばれていました。
イップスという言葉を初めて耳にしたのは、大学生の時のことでした。
当時の私には、まったく関わることのない言葉でした。
むしろ逆に、イップスの選手にアドバイスを求められるような立場にいました。
その後私はイップスを経験することもなく、プロ野球の世界にいくこととなりました。
意外にもプロの世界でも、イップスという人はたくさんいました。
全く無関係だった私が、初めてイップスなのかな?と感じた時は、
とてもショックでした。
コントロールには自信を持っていましたし、いろんな人からアドバイスを求められていた立場の私が、イップスなんかなるわけがないと思っていたので、かなり大きなショックでした。
イップスになったきっかけ
私が初めてイップスを自覚したときには、きっかけとなる出来事がありました。
それは
肘の手術でした。
私は7年前の、2012年、秋に肘の手術をしました。
手術も終わり、リハビリも終わり、徐々にスローイングメニューも増えていってる時のことでした。
投内連携(投手と内野手が一緒にノックを受けて、連携プレーをする練習)をしている時、
私はゴロを捕球し少しサイド気味からボールを投げようとしました。
その瞬間、肘に痛みが走りました。
その時から、私はせっかく手術して順調にきていたのに、痛みが再発したことのショックと、また痛みが出たらどうしようと、
ボールを投げることが怖くなりました。
それから痛みが出ないようなフォームを探し出し、ごまかして投げるようになりました。
それでもたまに、痛みが出る時がありました。
その痛みが出る時に、身体がこわばり、暴投したりするときがありました。
その時が、イップスとは無関係な私のメンタルにイップスという言葉が入り込んできた瞬間でした。
本格的なイップス
手術後にイップスなんじゃないかと思い始めて、
痛みがなくなればいつも通り投げれるだろうと、特に気にはしていなかったのですが、
私自身、本格的に精神的なイップスになってしまいました。
それは、4年前の2015年ごろでした。
その時私は、独立リーグにいました。
元プロ野球選手がどんなプレーをするんだろうと、周りの選手からはある程度注目をされます。
そんな中、プレーするとなると、お手本になるよう、ちゃんとプレーしないといけないと思ってしまい、
普段のプレーより無駄な力が入ってしまい、いつものプレーができないときがありました。
体の異常ではなく、心から来る本格的なイップスでした。
ある試合で私は、練習では出たことのない場面で暴投をしてしまい、それが悔しくて、
どうしてもその場所で克服したくて、その試合が終わった後に、薄暗い球場の中、スローイングの練習をしたこともありました。
コントロールに自信があった私にとって、許しがたいことでした。
私が思うイップスとは
そんな私ですが、そのイップスを心の部分から根こそぎ克服することができました。
私が思うイップスはまず、
①体の異常
私のように手術をしてからおかしくなったように、メカニック的な部分からおかしくなることもあると思います。
ピッチングをしていても調子のいい日と悪い日があるように、体調次第でいつもと違うことになることがあるということです。
どこか体に痛いとこがないか、張っていることがないか、
もう一度確認してみましょう。
②ただの練習不足
克服した私から言わせてもらうと、イップスは練習をしない選手が、その言葉に逃げて、練習することから目を背けているようにしか思えません。
苦手なことや、格好が悪いことを避けて、その言葉にを言い訳に使い、諦めてる選手が作り出した言葉だと思っています。
ちゃんと投げれる自信がつくまで練習をしたらいいだけです。
③姿勢
自分がイップスなんじゃないと思い始めると、自信もなくなり、
苦手意識から、不安になり、自然と姿勢が悪くなります。
姿勢が悪くなると、骨格上パフォーマンスは落ちます。
④イップスという言葉の洗脳
怪我をして痛みをかばい暴投をしたときに、「自分はイップスなんじゃないか?」と思い始めて、その言葉に導かれるように、暴投を繰り返すようになりました。
イップスという言葉によって洗脳され、パフォーマンスを落としていくこと。
自分で自分を苦しめているだけ。
イップス克服方法
前にも書いたように、まず姿勢を良くしてみましょう。
無意識のうちに、背中が丸くなっていませんか?
まずは大きく胸を張り、背骨をまっすぐにしましょう。
具体的に説明すると、スローイングをする際、イップスの人の投げ方は、投げる方向に対しての意識が強すぎて、前のめりになり、肘が突っ込み、さらに姿勢が悪いせいで肩のラインより前でリリースをしてしまい、置きにいったようなフォームをしていることが多いです。
胸を張って、肩のラインでリリースする、正しいフォームで投げてみましょう。
最初はすっぽ抜けることが怖いかもしれませんが、問題点が、すっぽ抜ける事だけならそこから徐々に合わせていけばいいだけです。
正しいフォームにして問題点を減らしていきましょう。
プロで活躍している一流の選手たちを見てもらえばわかると思いますが、背中を丸めてプレーしている選手はいないと思います。
みんなお尻がプリッとするほど胸を張り堂々とプレーをしています。
そんな選手が暴投を繰り返す姿はめったに見ません。
まず姿勢を良くして、堂々とプレーをしましょう。
そして、もしイップスが出てしまったときは、
決してメンタルが弱いとか、心のせいにしないことです。
元気だったとしても、体の異常のせいにすることが大事です。
例えば、
「昨日トレーニングをしすぎて、身体が張ってるだけだ」
とか
「今朝、あれを食べたのがいけなかった」
とか、思い切り言い訳をしましょう。
決してメンタルに原因をもっていかないようにしましょう。
次は大丈夫と、笑って堂々とやり過ごしましょう。
そして、
悪いときの映像を勇気を出してみてみましょう。
誰も自分のカッコ悪い姿は自分で見たくないものです。
自分が想像している動きと、全く違う動きになっていると思います。
修正点を自分で見つけ出すことが大事です。
失敗にこそ成功のカギが隠れています。
そのカギを見つける努力をしてみましょう。
そして最後に、
イップスが出なくなるまで練習しましょう。
練習することが恥ずかしいことではありません。
へたくそは練習あるのみです。
上手くなりたければ練習するしかありません。
ほかの分野でも、苦手なことは反復練習をしてきたはずです。
隠れて練習するのもあり。
私の場合は、隠れて必死に研究し、練習して
時には、あえて
「俺、イップスになったから、練習付き合ってくれ」
と、わざと注目を集めさせて、その中で練習をしたりもしていました。
練習してもうまくいかない時だってあります。
だけど、うまくいかないときはまだ練習が足りないんだと思います。
うまくいくまで練習しましょう。
『努力は必ず報われる。報われない努力はまだ、本当の努力とは言えない』
イップスは必ず治ります!!
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