「投手は知っておくべき数字」

投手として生きていれば、もちろん自慢の球を打たれたくはない。
そして失点をしたくもないし、負けたくない。
武器となる強い球を手にする為に、日々体を鍛え頑張っている。

しかしながらそんな強い球を手にしたとしても、必ず打者を抑えられるかといえばそうではない。

野球とは確率のスポーツでもある。

打率や防御率など必ず成績となる数字がついて回る。

その数字が指標となり、対戦する上でもそのパワーバランスが作戦を左右する。

さて今回は、

そんな相手打者を少しでも楽に抑えていくために、

投手は最低限知っておかなくてはならない「数字」についてのお話。
身体だけではなく、頭を育てていこう。

投手が失点をする。

チームが失点をする。
そこには必ず原因や理由がある。
その理由を先に知っておく事で対策ができる。
まずは、失点の原因について、そのパターンを紹介する。
数ある要素の中でも代表的なキーワードのひとつ。
それは、「先頭打者」である。
先頭打者とは、イニングの先頭。
ノーアウトランナーなしの場面からの打者を指す。
この先頭打者を出塁させるか抑えるかによって、失点の確率が大きく変わってくる。
そんな先頭打者に関する数字がこちらである。

【失点の確率】
ノーアウトランナーなしでプレイがかかられた時点での失点の確率⋯約20%
先頭打者を出塁させてしまった場合の失点の確率⋯約50%
先頭打者を抑えた場合の失点の確率⋯約10%
先頭打者を「四球」で出塁させてしまった場合の失点の確率⋯約70%

先頭打者を出塁させるかさせないかでこれだけの数字の差が出る。

この数字はこれまでの野球の歴史上での統計になる。

ここまで数字に差が生まれるのには、

先頭打者が出塁した後の作戦や選手の感情など様々な要素が含まれている。

あくまでも主観にはなるがその理由を紐解いていこうと思う。

では、なぜ先頭打者を出してしまうと失点率が30%も上がるのか。
まず考えられる理由としては、
攻撃側に いろいろな作戦を仕掛けられてしまうことにある。
ノーアウトで打者を出塁させてしまうと、

送りバントでアウトを1つ献上したとしても得点圏にランナーを進められチャンスは広げられる。

または走力のある走者であれば盗塁も考えられるし、

盗塁に気を取れれすぎてしまえば、エンドランを仕掛けられる可能性だってある。
様々なことに警戒しすぎると、制球力に影響を及ぼし、

四球で走者をためてピンチを拡大してしまうなんてことも良くある話である。
いずれにしても攻撃側に優位に攻められてしまう要因となる。
そのきっかけを与え、

守る側がそれだけ精神的にも揺さぶられるのが「先頭打者」の出塁ということが想像できる。

更に、

先頭打者の四球での出塁が、なぜ通常の出塁に比べてその確率が20%も上がってしまうのか。

それは、先程の攻撃側の作戦に加え、

投手の精神的ダメージが大きくかかわる。

投手にとって、四球というのは被本塁打の次に罪が重いもの。

その理由としては、守っている野手を無力にしてしまう行為であるということ。

ただの出塁ではなく守備側の雰囲気にまで影響を及ぼすもの。

そんな雰囲気は当然投球している投手には伝わり、

複数の四球を与えてはいけないという使命が課せられる。

そうなれば、コースいっぱいに投球していくという投手としての当たり前が難しくなってしまうのである。

わずかに甘い球になってしまうということである。

この投手心理を読み取ると、

失点の確率が上がる理由にも合点がいく。

今回は、「先頭打者」が試合に与える影響力のお話しをさせてもらった。
この数字を把握しておくだけで、

プレーする選手も試合を見るファンも、野球の見方が変わってくるんではないかと思う。

ひとつのプレーで、

両チームの雰囲気や選手それぞれの感情が揺れ動き、

一球ごとに、確率が変わる。

そんな確率の差が、勝敗を分ける大きな要因となる。
だからこそ統計の数字や過去のデータが現在でも戦略に使われるほどに明確でもある。

この数字を知っておく事で、

戦術や勝負所が見えるようになり、必然的に力を発揮できる選手になれるということ。

勝ちたければ、負けない方法を知る事。

備えあれば患いなしである。

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